夜の喧騒が嘘のような、昼間のススキノ。
午後2時のすすきの駅前は、意外に静かだ。
ネオンはまだ眠り、観光客の姿もまばら。
そこに現れたのは、上品な白いブラウスに身を包んだ、落ち着いた雰囲気の女性。
30代後半くらいか。
控えめなメイクに、左手の薬指で小さく光る結婚指輪。
まさに「人妻」という響きがぴったり合う、清楚で優しい笑顔の持ち主だった。「こんな時間に、何をしているんでしょうね」
彼女がそう微笑みながら言った瞬間、胸の奥が甘く疼いた。
昼間からこんな街で待ち合わせていること自体が、すでに背徳の香りで満ちている。
夫は仕事、子供は学校。
彼女は「買い物に出かける」と家を出て、ここにいる。
私はただの「知り合い」として振る舞う。
誰も知らない、二人だけの秘密のランチタイム。ランチは、駅から少し離れた隠れ家的なイタリアンで済ませた。
パスタをフォークで巻きながら、彼女は静かに話す。
「朝は子供の弁当を作って、夫を送り出して…。普通の主婦の顔で過ごしてるのに、今こうしている自分が不思議」
その言葉の端々に、日常では絶対に言えない「満たされない何か」がにじみ出ていた。
私はただ頷きながら、彼女の細い指先を見つめる。
指輪が光るたび、罪悪感と興奮が同時に胸を締めつける。食事が終わると、彼女はそっと目を伏せて言った。
「…もう少し、二人きりでいられない?」
その一言で、私たちは店を出て、すぐ近くのラブホテル街へ向かった。
昼間なのにカーテンを閉め切った静かな空間。
外の明るい陽光を完全に忘れさせるような、柔らかい照明と白いシーツ。
そこは日常の延長線上にある、最も贅沢な「非日常」だった。部屋に入った瞬間、彼女の雰囲気が変わる。
ブラウスをゆっくり脱ぎながら、恥ずかしそうに微笑む。
「昼間だから、余計にドキドキする…」
その声は夜の店では決して聞けない、素の響きだった。
人妻という肩書きが、昼の光の下でより鮮やかに浮かび上がる。
夫の知らない時間、夫の知らない場所で、私だけに解き放たれる身体。
キスは優しく、でもどこか切ない。
彼女の肌は温かく、経験を重ねた大人の柔らかさに満ちている。ベッドの上では、時間はゆっくりと流れた。
外では普通の昼下がりが続いているのに、ここだけは夜のように濃密。
彼女が耳元で囁く「今だけは、夫の奥さんじゃなくていい…」という言葉が、背徳の香りをさらに濃くする。
ランチの余韻、ワインの微かな味、彼女の甘い吐息——すべてが混ざり合って、昼間ならではの特別な高揚感を生む。終わった後のシャワーを浴びながら、彼女はまた少し照れた顔に戻る。
「また、こんな昼のデートできる?」
その問いかけに、私はただ頷いた。
時計を見れば、まだ午後5時前。
彼女は家に帰って、普通の主婦の顔に戻る。
私は街を歩きながら、さっきまでの時間を噛みしめる。昼のススキノは、夜とは違う背徳の味わいがある。
夜は派手で刺激的。でも昼は、日常の隙間に忍び込むような静かな禁断。
人妻との秘密のランチの後、二人だけの静かな空間で味わう「非日常」は、
金では買えない、言葉にできないほどの贅沢だ。だからこそ、私はまたここに来る。
次はどんな彼女と、どんな昼下がりを過ごすのだろう。
ススキノの昼は、静かに、しかし確実に、男の欲望を刺激し続ける。
昼のススキノ、背徳の香り。人妻との「秘密のランチ」の後に
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